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コラム 機械彫刻今昔物語

昔、機械彫刻は母型(パンダグラフ)というものを使って彫刻を彫っていました。母型とは、文字の部分が凹んでいる樹脂製の板で、その板の文字の凹み部分をなぞる事によって、それとは対になった刃の部分が対照的に動き対象物を彫っていきます。母型は実際に彫る対象物よりも大きく作り、製品の誤差を少なくします。
母型と対象物の縮小率は任意で変更が出来る為、様々な大きさに対応が可能です。刃がV字になっているので、その深さによって当然文字の太さが変わってきます。当時はそれが職人技でした。
母型は全て社内で作成しており、だから使用する文字の母型を全て用意する必要がありました。
現在は、コンピュータ彫刻機を使用して機械彫刻を行っております。彫刻機はCADで書いた図面通りに彫刻を行い、刃先にはストッパーも付いているので、文字の太さはもちろん一定、彫刻の際の職人技は必要なくなってしまいました。

執筆者:工場長 斎藤 賢一
ものづくり一筋30年。趣味はママチャリサイクリングで境川のサイクリングロードを藤沢から大和まで走るのが日々の日課。機械彫刻が専門で機械彫刻の母型は全て工場長の手作り、職人技が光ります。